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2018.04/03 組織運営の参考にすべき日馬富士問題

「貴の乱はひとまず終戦になりそうだ。日本相撲協会は29日、東京・両国国技館で理事会を開き、一連の騒動を起こした貴乃花親方(45)に、委員から年寄への2階級降格処分を下した。」

 

「貴乃花親方がもっとも恐れていたのは、「解雇」による部屋閉鎖や、降格より軽い処分の「業務停止」で弟子の指導ができなくなることだった。協会執行部への対立姿勢を一転させて謝罪し、土俵際で態度を変化させたことが評価され、“最後の砦”だけは守った。“命ごい”をするかたちとなったが、名を捨てて実を取った。」

 

以上は某ネットニュースからの引用である。多くのニュースがこのような論調なので、日馬富士問題の収拾が難しくなったときに、先日この欄で指摘したようなしかるべき人物が貴乃花親方にコーチングしていたならば、貴乃花親方を救うことができたのではないか、と思えてならない。

 

45歳の元大横綱といっても組織人としては素人である。また、日本相撲協会の理事の面々もマネジメント能力が優れているわけではないのだ。さらには、TVで映し出された騒動の様子を見る限り、基本的なコミュニケーション能力にも問題のある方々である。

 

単なる組織運営のアドバイスだけでは日本相撲協会は今後も珍事件が起きると思われる。このような組織ではマンツーマンでコーチングなりアドバイスをする「作業」が重要である。一応そのような役割の方々がおられるようだが、肩書だけで役割を果たせるスキルの無い方々であることが今回の日馬富士問題で明らかになった。

 

日本相撲協会に限らず、企業の組織にもこのような問題があるのではないか。ゴム会社と写真会社の二つの異なる企業で仕事をしてみて感じたことは、技術だけでなく組織運営も含めスキルやノウハウの伝承をOJTで行うことの重要性である。

 

ゴム会社では毎年のように組織管理者が代わったり、2年ほど一人で業務を推進しなければいけない立場だったこともあり、多くの偉い方々から指導やアドバイスを受ける機会に恵まれた。その結果住友金属工業とのJVという形で事業立ち上げに成功するのだが、写真会社では、自らスキルやノウハウを求めない限りそれらを獲得することができなかった。

 

どちらもOJTで情報を得られる状況だったが、自ら求めなくても周囲が問題を発見しスキルやノウハウを提供していただけたようなゴム会社の風土が当方には適していたように思う。

 

また、この経験から、組織内で新しいことを行ったり、あるいは別組織から新任管理職が赴任してきたときなどは、しかるべき年長者がその組織内に伝承されている職務遂行のコツなどを伝承するのが好ましい姿のように思う。

 

日馬富士問題を相撲社会という特殊な環境で起きた事件として捉えるのではなく、一般的な組織の抱える問題が特殊な事件として現れた、と捉えると、新入社員以外にも組織人としてのOJTを各階層で行う必要があるのではないか。

カテゴリー : 一般

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