2018.04/12 材料技術におけるアジャイル開発の重要性
アジャイル開発とは情報工学分野で発展してきた開発技法で、単純化した説明では、とりあえず製品に近いものをマーケットに投入し、マーケットの中で完成品に仕上げる手法である。
これは、ソフトウェアーの進歩が速いので、マーケットニーズを組み上げ、仕様を決定し、開発を始めていては、市場変化に遅れるからである。
この技法は、あらゆる分野の製品開発に応用可能で、比較的その導入が困難に思われるのは材料分野である。その理由は、材料分野ではできるかどうかわからない場合があるからである。
しかし、それゆえにアジャイル開発を行うべき、と小生は考えた。
今の時代、あらゆる材料の製造方法はほぼ揃っている。しかし、設計したようにできるかどうかが保証されていない。
金属やセラミックス材料は科学的な研究テーマがほぼ出尽くしたと言われているが、品質を安定化して生産できるかどうかは、技術開発に依存している。
すなわちロバストの確保がどこまでできるかは、技術力による。科学的にある合金ができることが分かっていてもそれを安定に生産できるかどうかは、技術の問題で、科学の問題ではない。
これを科学技術として味噌くそ一緒にした考え方になると捏造という、昨年度問題になった事件が起きる。昨年度の事件は、仕様から外れた測定値が品質管理で得られても、科学的に大丈夫と判断した結果なので、いずれの事件でもお客様の段階で問題が起きていない。
この問題はアジャイル開発から少し外れるが、問題が起きていないから問題が無いかというと、問題なので社長が頭を下げるような事態になったのだ。(続く)
カテゴリー : 一般
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