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2018.05/29 日大アメフト問題(2)

舛添氏はじめ一部の知識人には社会が日大の問題に大騒ぎする理由が見えていないようだ。最初に関学から提起された、反則タックルにより選手が負傷しただけの話ならば、舛添氏らの意見が当たっているかもしれない。

 

しかし、社会はそのような問題から離れ、日大という一応ブランド力のある大学の幹部がとんでもない人物で、さらに組織が彼を守ろうとし、本来大学という組織として一番大切にしなければいけない学生を見殺し状態にした行動に驚いている。

 

これは大変にわかりやすい問題で、普通の感覚の人ならばすぐに憤りを感じる善悪問題である。ただ、舛添氏はじめ一部の知識人の書かれている「大した問題ではない」意見を読むと、この社会的影響力のある組織で発生した善悪問題とそれを放置した時の社会的影響に気がついていない。

 

悪人を許し善人をいじめる組織、そしてこともあろうにそれが教育機関である事実にいまや世論は驚いている。実は早めに日大側が幕引きを図っておれば、このような日大の組織の恥部をさらけ出すに至らず大きな社会問題まで発展しなかった。

 

さらに学長まで恥をかくような会見を開かなくても済んだ。腐った組織だが外から見れば立派に見える、というのは探せばいくらでもある。

 

世の中が勧善懲悪の舞台ではないことを大人であれば誰もが理解している。その中で少しでも良い社会にしてゆこうと多くの普通の社会人は毎日努力して生きているのだ。

 

その目の前で社会的地位を得ていた「悪人」とその「腰ぎんちゃく」が「弱者」に悪事を命じたシーンが演じられた。そして弱者は命じられたまま実行するが、良心に耐え兼ねて真実を話しても悪人は知らぬ、存ぜぬと言っている光景がTVから連日流れている。

 

しかし、鈍感な、あるいは日大アメフト部の監督の様な人物がリーダーになっている組織では、しばしばこのようなことが社会にどのような影響を及ぼすかに気がつかず、問題が泥沼化する。

 

当方はインサイドの立場で、このような問題が起きたときに早く幕引きをするように努力し組織へ問題提起したが、所属していた組織が常識に反する方向へ動いたので被害者でありながら傷を深めないようにするため転職する決断を選んだ。

 

その後、当方はもうその会社とは無関係の立場で事件を知ることになったが、数年後にはさらにとんでもない事件が起きた。人生誠実真摯に生きようとすると損をする風土ではいけない。そのような風土を放置すると健全な風土にまで問題が飛び火し全体がおかしくなる。

 

日大アメフト問題は、この時と同様に単にスポーツの現場で起きた問題から社会正義に反していると世論が感じる問題に発展し、そしてそれが教育機関であったという理由で大きく社会問題化しているのだ。分かりやすい問題ゆえに誰もがそれぞれの価値観からこの事件を捉えている。この問題に関して意見の違いは、それぞれの価値観の違いとなる。

 

カテゴリー : 一般

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