2018.06/02 日大アメフト問題(3)
「面接で聞かれますね。『もし上司から法律に違反するようなことを命令されたら、あなたはどうしますか』と質問されたりすることはよくあります」面接の場でこのような質問を受けることに関しては、「率直にショックですね」と語った。
これは昨日WEBで見つけた記事の引用であるが、日大の来年卒業を控えた学生へアメフト問題が影響していることをその記事は述べている。日大幹部の不祥事だが、それが学生にこのような形で現れたことに同情しているが、日大学生諸君はこれを機会にショックと考えずドラッカーを読んでいただきたい。
ドラッカーを読めば、今起きている本当の問題を正しく理解でき、面接の場の出来事はショックにならないはずだ。むしろ面接の場では今回の事件が君たちに有利に働く。
国会を見ていてわかるように、社会のリーダーに相当する人たちが、皆誠実で真摯とは限らない。不倫しても当選すればそれを禊と言って大きな顔をしている女性議員もいるのだ。有権者の多数が不誠実だとこのようなことが起きる。
日大の問題は不誠実な人たちがリーダーになっているとどのような問題が起きるのかそれを社会に示した事件である。文科省を昨日訪問した学長は、「どうしてここまで否定されるのかわからない」と発言されたそうだが、このような人は社内ベンチャーとして他社と協業に成功し新規事業を苦労して一人で立ち上げ、これからというときにデータFDを続けて壊され、被害者でありながら潔く退職の道を選んだサラリーマンの決断など理解できないだろう。
本来組織はこのようなことが起きないように運営されなければならないが、どのように優れた組織であっても、腐ったリーダーを生み出してしまうのは、組織を運営しているのが人間だからである。
ゆえにドラッカーは、リーダーの最も大切な仕事は誠実真摯な人を後継者として選ぶことだと言っている。さらに誠実と真摯さとは生まれながらの資質だとも言っている。すなわち不誠実な行いをする人物を見極めるのがリーダーの役目だが、残念ながら日大ではそれが機能しなかった。
教職員が、日大トップの辞任を要求するのは当然であり、トップの辞任が行われなければ日大は生まれ変わることができない。当方はFD事件で被害者でありながら転職することになったが、組織と価値感が合わないならばその組織から出てゆくことをドラッカーは勧めている。
すなわち、冒頭の面接における質問もそれを目的としていると思われるが、不誠実なリーダーのもとで働くことは、それこそ組織に対して、さらには社会に対して不誠実な活動になるからだ。冒頭の記事では、不幸にも不誠実なリーダーと組織で出会ったときに君がどのような行動をとるのか、面接で尋ねているのだ。このような質問を今の時期に日大生にあえてする会社には他の問題があるがーーー。
もし日大から教職員や学生の誠実で真摯な人物が大量に逃げ出し始めたらどうなるか?日大は早急に体制を変革しなければさらに大きな問題を引き起こすことになる。6月はそのヤマバになるのかもしれないが、学長は今回起きた本当の問題を正しく理解していないようだ。
これは先日指摘したように舛添氏も同じであり、少しでも誠実さが認められるような社会を目指していこうと考えている大多数の人の価値観と彼らの価値観は異なる。
カテゴリー : 一般
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