2018.06/05 知識(2)
形式知については小学校から学んでおり、また受験勉強を行った経験のある人ならば、どのようなものかすぐに理解できるだろう。
新たな形式知は科学論文から吸収することが可能だが、人工知能(AI)の普及によりこの形式知を頭に放り込む作業が無駄になる可能性がある。
経験知もAIに奪われるかもしれないが、暗黙知についてさすがにAIに搭載は無理だろうと思っている。もしそれが実現したら、本当に人間と同じ思考ができるロボットが登場する可能性がある。
しかし、AIに搭載が難しいということは、この伝承も難しいことを意味している。最近AIが騒がれたのでふと思うことがあった。年寄りが真剣に取り組む必要があるのは、長い人生で暗黙知をどのように具体化し生かしてきたのか思い出してみることである。
写真会社に転職して面白い人物にあった。当方よりも年配の方であるが、宇宙人ともうわさされていた技術者だ。その方と話していると話があらぬ方向へよく飛ぶ。話がワープするから宇宙人と呼ばれたらしい。
しかし、真剣に話してみると、決して話はワープしていないのである。ワープしたと思われる軌跡には暗黙知の論理的つながりを垣間見ることができる。
その技術者と話していて、その軌跡に気がついた時にワープの途中で方向転換できる話題を出したところ、話がもとに戻ってきた。宇宙人と呼ばれていた技術者は決して精神分裂気味に話が飛んでいたわけではない。
このようにして当方は初めて自分の暗黙知の存在を意識したのだが、この方と話すまで、暗黙知なるものを意識的に経験知へ昇華する術を知らなかった。
多くの方もそう思っているかもしれないが、第六感というものを自由にひらめかせることができたなら、どれだけ便利だろうと長い間考えてきた。それがこの技術者と話していてできるようになったのだ。
おそらくこれが第六感を制御できる唯一の方法ではないと思っている。第六感がどのようにひらめいたのか、それを具体化できれば暗黙知なるものの伝承方法が見つかるはずだ。当方のセミナーではこの暗黙知のいくつかを経験知としてまとめて解説している。
カテゴリー : 一般
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