2018.08/01 問題の認識
「何が問題か」というのは、ビジネスで発生した問題についてクライアントが相談に来たときにドラッカーの発する常套句だった。すなわち、クライアントが相談で取り上げた問題について、それをそのまま鵜呑みにせず、正しい問題を探すことをクライアントに求めていたのだ。
また、優秀な人が成果をあげられない理由を「間違った問題を正しく解いたこと」が原因としている。とかく問題が発生すると目の前の問題をすぐに解決しようとアクションを起こす人がいるが、問題解決において、まず正しい問題を見つけることが大切である。
そもそも企業で発生した問題の認識は立場や役割により様々に変化する。これがよくわかっていない人がいる。問題を説明するときにドラッカーのような人物に対してはどのように問題を説明しても聞く側が問題の説明者と自分の認識を配慮しながら説明を真摯に聞いてくれるが、多くの場合には問題の説明の仕方などを工夫しないとうまく問題の内容が伝わらない。
とんでもない人の場合には、すべての問題は自分に関係ないと認識する。このような人の決まり文句として、問題を相談したり報告しに来た人に対して、したり顔で、「あなたの役割はその問題を解決することだ」と回答する。
これは問題に対して当事者意識が欠如しているからだが、心当たりのある人は「問題が存在している状態は自分に責任がある」と考える習慣にすると当事者意識を育てることができる(ただし反省できたときであるがーーー)。
正しい問題にせよ間違った問題にせよ、何か問題が存在する「状態」は、全員に責任があるのだ。仮に問題の内容が直接自分に関係ないと思われたときでも、それを放置しておくとやがてその問題が変質し、自分にとって大きな問題になってしまうこともある。
問題を正しく認識する力を養うには日々発生する問題について他人の問題とすることなく、問題の存在することをまず問題として認識し、そこで正しい問題を考えるという習慣を身に着けることだ。
カテゴリー : 一般
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