2018.08/22 金足農高の負けに思う
金足農高の吉田投手は、甲子園で全先発881級投げたという。短期間のこの球数は異常と言われているが、それを実現できたのは、ハンカチ王子斎藤投手と同じ症状だったという。
その斎藤投手は決勝戦までに652球であり吉田投手よりも100球程度少ないが、やはり2006年夏異常な球数でも衰えなかった球威が指摘された。
彼らは、甲子園で試合を重ねるにつれ、球速が遅くても威力のある球を投げられるようになっていった、とそれぞれの捕手が指摘している。
実際に本人吉田投手も日大三高との対戦が最も調子がよく、楽に投げられて三振が取れるなら、決勝戦まで投げられる感触をつかんだという。
医学の常識を精神力で越えた、と書いている記事もあるが、そうではないと思う。当方は、サラリーマン時代過重労働を好んで実践してきたが、これは疲れてくると、不思議にも頭がさえてきたからだ。
写真会社の最後の大仕事として混練プラントの短期立ち上げがあるが、これでは3日間徹夜に近い労働をしている。その時いろいろと素晴らしいアイデアが浮かぶようになっていった。
当初立案していた立ち上げ計画を変更し、さらに短期に縮小し、プラントが完成した時には、すぐに生産に入っている。
過重労働で頭がさえる経験(注)は、ゴム会社の新入社員時代に体験し、それ以来言われなくても過重労働を率先してきた。過重労働はもちろん医学的に肉体的にも精神的にもよくないが、自らを追い込み、その能力の極限で仕事をしてみると、見えてくる新たな世界があることは確かである。ただし見えてくる世界が極楽浄土の場合もあるので過重労働を他人に強いてはならない。
(注)高純度SiCの研究を無機材質研究所で1週間でモノにしたときには、信じられないほどの速度で論文を読むことができた。英文は日本語のように見えてきて、特許は斜め読みではなく、垂直に読めた。また、事業シナリオだけでなく、学位論文の内容はじめ研究計画などこの1週間でその骨子が出来上がっていた。極限で医学では説明のできない能力を発揮できるのは自らも体験しているので、報じられている内容から吉田投手の潜在能力の高さが理解できた。しかし、SiC化の実験をしているときに電気炉が暴走し、最適条件でSiC化できた事実には、驚いている。一心不乱に電気炉の前でお祈りをしていただけである。電気炉の暴走原因は、その後科学的に調査を行っても不明のままだった。
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