2018.08/25 論文不正
「製薬大手ノバルティスファーマの高血圧治療薬「ディオバン」の論文データ改ざん事件で、ディオバンが他の治療薬より有効とする名古屋大の研究論文について、掲載した米科学誌が撤回していたことが24日、名大への取材で分かった。」
これは時事通信社のJIJI.comからの転載記事である。この記事では、事件の説明として以下の内容が続けて書かれていた。
「名大の調査報告を受け、8日付で削除された。
ディオバンの臨床研究は名大や京都府立医大など5大学で行われ、各大学が脳卒中や狭心症に効果が高いとする論文を発表。後にノ社社員の不適切な関与が判明し、名大を除く4大学の論文は既に撤回されていた。」
母校の不名誉な記事であるが、なぜ他大学よりもアクションが遅れたのか気になるところであるが、関わった研究者は懲戒免職に相当するだろうと思われる。また、他大学よりもアクションが遅れた原因は不明だが、調査にあたった内部委員には「対応の遅れ」という責任があるのではないか。
すでに当方の学位取得の体験に基づきアカデミアの先生の中には、社会常識をわきまえないどころか善悪の価値観もおかしいとんでもない先生がおられることを書いた。
まさにこれはそのような先生方を扱った記事だが、当方が呆れたのは、不正論文の撤回まで遅れたことである。アカデミアの使命を真摯に実行したならば、不正に対して迅速に対応できたはずだ。
真理を追求するのがアカデミアの最も重要な使命なので、それが遅い、ということは能力が低いアカデミアかあるいはおかしい先生が委員を務められたのか、とにかくアカデミアとして許されることではない。
社会に現れた事件や自己の体験から大学の偏差値が必ずしも大学の正しい姿を示していないと思っている。偏差値が低くても学位審査はじめ大学運営を立派に実行している優れた大学がある。
また、当方が存じ上げている大半の先生方は、誠実で真摯な研究者である。ただしそれでもおかしな先生の方が目立つのである。母校は、他の誠実な先生に迷惑がかからないよう、さらに世間が納得するようにこの問題に厳しく対応してほしい。
カテゴリー : 一般
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