2018.09/16 技術開発における温故知新(2)
新しい技術を開発しようとするときに科学の進歩に目を向けることは重要である。一方で過去の技術を現代の科学の視点で見直すことも大切だが、あまり行われていないように思う。
その理由は簡単である。科学の新しい成果をそのまま技術へ展開したほうが進歩性を主張しやすいからである。またそれが新しい技術であれば新規性も出てきて発明となり、特許を容易に出願できる。
ところが過去の技術を見直してそこから進歩性のある技術を生み出せと言われてもその方法論から考えなくてはならない。また過去の技術は公開されているので新規性を主張したいときにも様々な工夫が必要になる。
すなわち、技術開発において温故知新戦略は難易度が高い。難易度が高い戦略ではあるけれど、一度その戦略立案の方法を身に着けると商品開発ではアジャイル開発も可能にする有益な方法であることに気づく。
この方法は、弊社の研究開発必勝法でも紹介しているので問い合わせていただきたいが、材料科学の進歩が停滞し始めた時代だからこそ温故知新戦略に注目していただきたい。
今高分子物理の研究が重要テーマになっているが、結晶が中心となる無機材料科学のように簡単に高分子物性論の体系が再編されるとは思われない。
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