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2018.10/06 LIMS

シリコーンゴムにはミラブルタイプとLIMSの2種類のゴムが存在する。ミラブルタイプは、通常のゴムと同じように高分子量のゴム分子を架橋して得られる。

 

LIMSによるゴムは、低分子量のシリコーンを重合しながら同時に架橋を進めて製造される。ゆえにLIMSのメーカーが異なるとできあがるゴムの構造は一次構造が大きく異なっている。

 

すなわちLIMSでは液状のシリコーンを用いるのでフィラーを添加しても高粘度とならず、注型による成形が可能となる。

 

しかしミラブルタイプは高分子量のゴムを用いるので、一般の架橋ゴムと同様に金型に入れてプレス成形を用いて製品となる。

 

このプロセシングの違いが生産性に影響する。ゴムの物性を問わなければ、一般にLIMS成形品のほうが低価格となる。

 

ところで困るのはLIMSについてシリコーンメーカーによりその設計思想が異なる点である。信越化学は、二官能のシリコーンと架橋剤でゴムとなるように設計している。

 

しかし他の2社は、三官能のシリコーンを用いて架橋もそれにゆだねている。教科書に即して考えると信越化学の設計に軍配があがるが、製造時の品質安定性という指標でみると他の2社に軍配があがる。

 

信越化学の製品が劣っているのかというとそうではなく、用途により最適なLIMSメーカーが存在する、という書き方で本日はお茶を濁す。LIMSの成形技術で困っている方はご相談ください。

カテゴリー : 電気/電子材料 高分子

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