2019.01/03 技術のニッサン
表題は、かつて使用されていたCMにおける日産自動車のコピーである。最近はあまり聞かなくなったが、ノートの販売台数が日本一になったと聞き、このコピーを思い出した。
トヨタ自動車のハイブリッドエンジンに対して日産自動車のそれはe-パワーと名付けられている。面白いのは、エンジンで発電して、モータ-を回すe-パワーの仕組みである。
科学的に考えると明らかに効率が悪い方法である。日産自動車の方法は熱力学的に不利なメカニズムゆえに、トヨタ自動車は1980年代より現在のハイブリッドの仕組みを研究開発してきた。
このあたりは昨年すでに説明しているので詳しく触れないが、科学的に考えるとトヨタのハイブリッド車よりも燃費で不利にもかかわらず、それを技術でカーバーして商品化したところが日産自動車のすごいところである。
ノートの実燃費は、ユーザー情報によると科学的に有利なハイブリッド車アクアとあまり変わらないと言われている。なぜこのようなことが可能となったのか。
それは、電池技術はじめエネルギー回生技術の進歩により自動車の動力回りのイノベーションがあり、過去の科学の常識を覆す技術が出来上がったのだ。
エンジンで発電し、その電気でモーターを回す、この機構だけをとらえて評価すれば、エネルギー効率は悪い。しかし、車の運転経験があればすぐに気がつくが、一般道の運転で車のスピードは大きな変化の繰り返しである。
発電用のエンジンでは燃費の良いところで発電し、減速時はエネルギーを回収するなどして科学的に不利な部分を補うことで、ハイブリッド並みの実燃費を生み出すことに成功した。科学的に否定されても、技術では成功した事例だと思う。
カテゴリー : 一般
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