活動報告

新着記事

カテゴリー

キーワード検索

2019.01/05 研究開発部門の企画(2)

当方は写真会社へ転職前に、高純度SiCの事業化を一人で担当していた。ただし、この企画は、社外(住友金属工業)とのJVであり会社公認のテーマだった。

 

高純度SiCの企画は6年前に2.4億円の先行投資を社長から直接決裁を受けてスタートしている。しかし、ファインセラミックスと同様にCI導入時メカトロニクスの事業を目標としスタートしていた電気粘性流体(ERF)の企画が、ERFの耐久性問題でとん挫しかかっており、そのお手伝いを頼まれた。

 

高純度SiCのテーマを中断しERFのテーマに注力するといった判断は、転職するときにわかったことだが、中間管理職あたりから出されていたようだ。全社方針としてファインセラミックスのテーマは継続となっていた。

 

当方がFD問題解決のため転職を決意したとき、高純度SiCの企画を継続して推進するために数人のプロジェクトが作られたことから、それを理解できた。

 

高純度SiCのテーマは、その成り立ちの経緯から納得していたが、研究所の管理職が歓迎していなかったテーマであり、転職するまでにFD問題だけでなく、テーマ中止を求められる事件が起きていた。

 

そのたびに、当方はしかるべき人に相談しながら一人で担当していた事業企画を中断ではなく少しでも継続できるよう努力していた。だから、ERFの耐久問題が発生してその仕事を手伝う限りは、問題とその位置づけを明確にしてほしいとプロジェクトリーダーにお願いしている。

 

その時、プロジェクトリーダーは、電気粘性流体をゴムのケースに入れて使用していると増粘するので、電気粘性流体を増粘させないゴム開発を担当してほしい、具体的には配合剤が入っていなくてもゴムとして機能する材料を開発して欲しいと協力を求めてきた。

 

「問題解決」の依頼ではなく、プロジェクトリーダーが決定したテーマを押し付けてきたのである。当方は、それに対して「界面活性剤で問題解決をする企画」を提案した。すると彼は、それは1年研究して、その方法で問題解決できないという結論が出されている、と応えてきた。

 

その報告書の閲覧をお願いしたところ、重要機密であり見せられない、と言われた。これは、同じ部門にいながらおかしな回答である。この奇妙な回答の意味を察し、その日の夜に、当方はサービス残業によりこの増粘問題を界面活性剤の添加技術で解決した。

カテゴリー : 一般

pagetop