2019.01/22 日本人技術者も安室症候群
昨日安室奈美恵のことを考えて、日本の技術者も安室奈美恵と同じような道をたどった結果、現在に至ったのではないか、と懸念している。すなわち、高度経済成長期は日本人労働者のモラールは自然とアップしていったが、それが個人のモチベーションアップに結び付いてゆかなかった可能性がある。
それだけではない。マネジメントの方向が個人のモチベーションアップに力を入れたところ、出世競争だけあおり、本来の個人の自己啓発努力と能力向上まで結びつけることができなかったためと想像している。
このような想像は、当方のサラリーマン経験と関係があるのかもしれない。すなわち当方の周囲には他人の成果を平気で自分の成果として申告し出世していった輩が多い。FD問題もその類であり、モチベーションアップのマネージメントが悪い結果を生み出した可能性がある。
管理職として部下の面接をしていて驚いたのは、若い人たちはそのような状況をよく見ているのだ。これは企業内に限らず社会全体の風潮でもあるようだ。
うまく振舞ったものが報われる社会でも全体に成長し、その恩恵が皆に回ってくればモラールアップもする技術者が出てくるかもしれないが、最近の政治の方向はそうではない。これでは若い技術者のモラールアップなど望めないし、経済発展のための個々のモチベーションアップにもつながらない。
当方のような社会経験を重ねてくると、モチベーションコントロールのスキルも身についてきて、どのような状況になっても仮に一度は落ち込んだとしてもモラールアップできるようセルフコントロールの努力ができる。しかし社会経験の乏しい若い人にそれを求めても無理だろう。
また、「やりがい詐欺」なる言葉を流布して、モチベーションアップを阻害するような活動をしている大学の先生もいる。モチベーションアップは、個人の活動において幸福の一要素と思っている。何も意識せず、風に吹かれて生きるスタイルだけが人間の生きる姿ではない。
ただでさえ高齢化でそのような人が増えているのだ。「やりがい詐欺」という言葉を流布しようとしている先生はその影響を反省して欲しい。
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