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2019.02/24 PPSと6ナイロンの相溶技術(7)

コンパウンドを外部から購入しなければいけないという制約があったので、子会社の空き地に工場を建てられるように交渉を始めたら、運が良いことに豊川の近くの袋井の子会社に空き地があるという。

 

下見をしたところ、二軸混練機を2ライン置ける広さの空き部屋が偶然見つかった。その部屋の図面をもらい、形状だけ写し取って、根津にある中小企業の社長にお願いして、埼玉にその写しの形状と同じ広さを取れる空き工場を探してもらった。

 

埼玉の空き工場に、中古の二軸混練機1台設置し、ラインを組み始めた。1ケ月ほどでカオス混合ラインは完成した。そのかわり土日の休日は全部潰れるとともに、新幹線代が個人負担になった。

 

このあたりを細かく書くと愚痴しか出てこないので、ここでやめるが、問題解決の方法が見つかっても組織の協力が得られない場合には、このような個人の犠牲を払うのか、問題解決をあきらめるかの選択になる。

 

犠牲を払ったとしてもサラリーマンとして報われないことが分かっていたが、世界初のカオス混合ラインという魅力に自腹を切る覚悟をし、新たなテーマ企画をDRにかけて審議してもらった。

 

秘密の混練ラインで生産したコンパウンドを用いたところ、リサイクルコンパウンドよりも歩留まりが向上し100%に到達した。しかし、最初の企画提案で行ったDRの資料には、押出成形工程で作ったコンパウンドのデータを用いて説明している。そして、この押出成形工程を子会社の敷地にコンパウンドラインとして作り上げ3ケ月で完成させるシナリオを審議してもらった。

 

コンパウンドの生産ライン建設に本当はどれだけかかるのか知っている人などいないので、無事この企画は通過した。センター長は8000万円の設備投資を許可してくれた。この設備投資の許可を受けて、二回目のDRでは、カオス混合プロセスによる本格的なコンパウンドライン建設提案を行っている。(続く)

カテゴリー : 一般 電気/電子材料 高分子

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