2019.03/13 ニコンのミラーレス戦略
デジカメの市場が大きく動き始めた、と言われている。今一眼デジカメと言うカテゴリができて、一眼レフとミラーレスカメラがそのカテゴリーにくくられはじめた。
かつてミラーレスカメラは、オリンパスやパナソニックが商品化を積極的に進め、そのさなかソニーがフルサイズミラーレスを上市して注目された。ニコンはニコン1をペンタックスはペンタックスQを発売した。
このころはミラーレスと一眼レフはそれぞれ別々のカテゴリーの商品だった。実際に、ペンタックスが一眼レフのミラーをとっただけのミラーレスを発売しても大きく市場は動かなかった。しかし、ソニーが一年ほど前フルサイズのミラーレスでニコンの一桁一眼レフ以上のスペックのカメラを市場に投入してからマーケットは大きく動き始めた。
ソニーはいつの間にか一眼レフカメラの開発よりもフルサイズミラーレスを一眼デジカメの主力商品に育て上げていた。その結果、一眼レフデジカメはミラーレス一眼カメラにマーケットを侵食され始めた。
一眼レフカメラのツートップメーカーはこの状態となり、昨年ようやくソニーのフルサイズミラーレス一眼を追撃する商品を発売した。驚かされたのはパナソニックもフルサイズミラーレス一眼を発売したので一気に一眼レフとミラーレスの垣根は無くなり、同じ土俵で戦うことになった。
キャノンとニコン、パナソニックは、ソニーを追う立場であるが、ニコンの戦略は際立っている。すなわちミラーレスで「今」の戦いを捨て、未来に生き残る戦略をとっている。すなわち、市場占有率を広げる戦略ではなく、性能トップを狙う戦略である。これは当方も高純度SiCの開発を行ったときにとった戦略なので大変理解できる。
すなわち、最高級の性能を市場で実現しておれば、シェアーは取れなくても、必ず生き残れるのだ。実際にゴム会社で生まれた畑違いの高純度SiCの技術は生き残って30年以上事業として続き、昨年末名古屋のセラミックス会社に事業譲渡された。
この面白い状況を体験しようとニコンZ6をズームレンズのセット品として購入した。購入して一か月、そのズームレンズの性能に驚かされたので35mmレンズを追加購入した。この35mm単焦点レンズにはさらにびっくりさせられた。ボケと抜けの見事な両立が実現されていたのだ。
カテゴリー : 一般
pagetop