2019.04/15 フィルムのインピーダンス(2)
単一組成のフィルムのインピーダンスを計測している限りにおいては面白い計測ではない。しかし、表面処理されたフィルムや成膜に失敗したフィルムなどを計測すると途端に面白いデータが得られ始める。
主に低周波領域で周波数分散に異常が観察されるようになる。ここでは書きたくないような面白い現象も観測されるが、その中でパーコレーションとの関係を示すデータについて経験談を書く。
酸化第二スズゾル(以下スズゾル)をPETフィルムにバインダーとともに塗布すると、パーコレーション転移の閾値以上の添加量で帯電防止層ができる。
面白いのは、厚みが1μmもない帯電防止層の表面比抵抗が10の10乗から11乗程度の高抵抗であってもタバコの灰付着テストに合格する。このとき、スズゾルの体積分率とインピーダンスの変化の関係を整理すると面白い。ここであまり書きたくないが、すでに国際会議等で発表した内容もあるのでそれについて説明する。
インピーダンスの絶対値の周波数依存性データで低周波領域に異常分散が現れ、それがスズゾルの体積分率と相関する動きをするのだ。すなわち、インピーダンスの絶対値を用いるとパーコレーション転移の閾値を容易に検出できる。
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