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2019.04/25 ハイブリッド車の問題(1)

池袋事故について事故原因の解明よりも、未だ逮捕されない運転者の問題に関する記事が多い。この事故の本当の問題は、「本当の事故原因は何か、そして再発をいかに防ぐか」という問題のはずである。恐らく警察は、運転ミス「か」(東スポではないが)、と発表しつつも、運転者の証言にも注目している可能性がある。

 

当方は年に2回ほど信頼性工学のセミナーを行っているが、せっかくセミナー内容について現実の問題を取り入れたり、問題解決法を取り入れたりと役立つように工夫しても参加者が少なく、困っている。

 

小生の信頼性工学については別の日にPRをしたいが、本日はハイブリッド車に試乗したときに、信頼性工学の観点から営業マンへ有益なアドバイスをしていてもいっこうに改善されないハイブリッド車のブレーキの問題について書く。

 

ハイブリッド車のブレーキの問題については電気自動車にも通じるが、これについては、日産自動車が1ペダル方式という一つの答えを提案している。あの技術はもっと注目されてもよく、新時代の自動車安全システムとして第二、第三の新しいブレーキシステムの提案があるべきだ。

 

この欄で展開する話は、一部特許ネタとして公開を躊躇していたが、トヨタがハイブリッド車の特許を公開するというので、当方の考え方も公開したい。

 

ハイブリッド車のブレーキ(正しい運転をしなかった場合の一般のオートマチック車でも該当する)が信頼性工学の視点でまずいのは、「ブレーキをかけようとして、ペダルを踏み間違えたときの対策が考えられていない」、というこの一点に尽きる。

 

難しく表現すると、「ヒューマンエラーが発生した時に、そのエラーが次のエラーを引き起こさないような対策が取られていない」、あるいは簡単に「バカ対策が取られていない」となる。バカと書いては事故を起こされた方には失礼だが、ポカ除け対策ともいう。

 

ブレーキを踏み間違えた運転者は、それに気がつくためには、まず、加速し始めた車の状態を「異常だ」と気がつく必要がある。そして、その異常に対する原因を考えたときに初めてアクセルを踏み間違えたことに気がつく。この段階で異常に気がつかなければ、アクセルをブレーキペダルと信じ、踏み続ける。

 

しかし、ここで異常の原因が運転者の動作にある、とすると、「ブレーキの踏み間違い」か、「ブレーキの踏みシロの少なさ」という二つの事象が出てくる。

 

前者であれば、ペダルの踏み間違いへと思いがいたるが、後者の場合には、先に指摘したようにブレーキを踏みこむことになり、結果としてアクセルを踏み込む動作となって、暴走することになる。実際にこれが原因で起きている事故は「プリウスの暴走」としてネットに多く公開されている。

 

「このような事故でプリウスの暴走が注目されるのは販売台数が多いから」、とよく解説されているが、当方はそれだけではない、と思っている。しかし、ここは当方しか気がついていないようだから書かないが、興味のある方は質問していただきたい。プリウスの運転システムにはこの欄で書いた以外にもまだ問題がある。

 

とりあえず、ブレーキシステムの問題に話を戻すが、信頼性工学の一つFTAとFMEAを正しく行っていれば、事象が二つになることに気がつくわけで、当方は営業マンにレクチャーを無料でしている。

 

しかし、感謝されるどころか、営業マンはそれを不満に感じているようだ。顔は笑顔だが、皆当方の話を否定して話題をそらす。おそらく車をけなされたと思って、カチンと来ているのだろう。

 

そして本質的な議論に発展しない。営業マンの仕事の一つにお客様の声を吸い上げ、それを商品のカイゼンにつなげるというのがあるが、トヨタの営業マンは皆プライドが高いのか、お客様の意見を否定してくる。

 

顔は笑顔で、言葉は優しくても、言ってる内容がお客様の意見を真正面から否定しているならば、お客様は不快になるだけだ。初めて乗った車はレビン、その次はセリカとトヨタを乗り継いできたが、このブレーキの問題を言い出してから、トヨタ車を購入していない。新車購入時には必ずトヨタのディーラーものぞくのだが大抵は気分を害して見積もりさえもらわないという状態が30年以上続いている。

カテゴリー : 一般

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