2019.06/01 成形技術(3)
検査工程の職長はいろいろと当方の面倒を見てくださった。サンチョク明けには、一日の過ごし方まで指導してくださった。しかし、サンチョク明けは毎日ゴルフ三昧と言う生活には少し驚いたが。
押出成形の職長を紹介してくださったときには、話が盛り上がる途中まで一緒にいてくださった。押出成形の職長とは一日仕事の合間に説明を聞きながら、過ごすことができ、有意義だった。
とにかく押出工程は行ってこい、の世界であり、行ってこい精神で形を作る以上の技術開発を考えてはいけない、と言われた。すなわち、うまく形ができないならばすぐにコンパウンドを疑え、と言っていた。
それが仕事ならば職長は何もやらなくてもよい、という意味ですか、と失礼なことをずばり聞いたら、何もしないで判断する、と言うのは、スキルが無くてはできない、と教えてくれた。
実際には、開発部隊が設計した金型について改善をするのが仕事なのだが、金型を改善するのか、前工程のコンパウンドの改善を提案するのかは、早く判断をしなければ、生産立ち上げの時には時間のロスが生まれるという。
換言すれば、よいコンパウンドか悪いコンパウンドか判断するのが重要な仕事ですか、と尋ねたら、その通りだと言った。
一日成形してみれば悪いコンパウンドはすぐにわかる。早い時には一時間でわかる、とも自慢していた。一分ではわからないのですか、とくだらない質問をしたら、金型の改善点を見つけるのにどうしても一時間かかる、それが今の私の課題になっている、と真顔で答えられたので、恐縮した。
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