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2019.06/02 成形技術(4)

ゴムの押出成形は難しかった。すなわち押し出されるゴムの形状と金型の口金の形状が異なるのだ。だから大卒の技術者でも、あるいはCADがこれだけ進歩した現在でも現場のスキルが要求される。

単純なシート状のゴムの押出でも大変だった。ダイスウェル効果でその厚みを金型のリップ部のサイズで決めることができない。

押し出されたゴムを「工夫」してうまく目標サイズの厚みのゴムシートにするのだが、未加硫ゴムなので厚みの変動が避けられない。それをスペックに収めるように押し出すのだ。

職長は押し出されたときのゴムの性状をよく観察することが大切だと言った。ひどいコンパウンドでは一発目から分かるという。

加硫剤の配合が適切でない場合には、押し出したときにゴムが焼けるという。また焼けなくても微妙な音がする、という。すなわち、押し出されたゴムの性状を観察するとは5感を使って観察することだった。

ゴムをなめることもあると言われたときには思わずそれは健康に悪いですよ、と叫んでしまった。とにかく押出成形では、ダメなコンパウンドの場合には早く成形努力を諦め、前工程にフィードバックをかけることが重要だと教えられた。

カテゴリー : 一般 連載 高分子

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