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2019.06/21 AIが普及する前に考えなければいけないこと(5)

研究開発部門にAIが導入されたなら、30年前の体験の様な事態があちこちで起きるかもしれない。

 

AIに問題解決させたら、既存の方法ではできません、と回答してくる、そして人間はその回答を見て、荒唐無稽な企画を行い、悪戦苦闘する光景である。

 

自分が自信を持って立案した企画だから、いきなり実行しようとする。ただし、添加剤が入っていないゴムにERFを封入したらどうなるかをAIに尋ねたら、やはり増粘しない、という回答を出すに違いない。

 

当たり前に予想されるからだ。ただ、老化防止剤や耐候剤、可塑剤が添加されていないゴムでは実用化できないと教えられているAIならば、注意点としてそのようなゴムは実用化できない、とアドバイスしてくれるかもしれない。

 

しかし、このアドバイスをAIができるためには、添加剤が全く入っていないゴムがどのような状態になるか、教えられていなければいけない。人間ならば経験から十分に想像できるが、教師データにそのような経験が入っていなかったなら、AIはアドバイスできない。

 

ゴム会社の学者肌の研究開発本部長は「それは良い考えだ」と、使い物にならないゴム材料の企画を当時大絶賛したそうだ。

 

そしてまずモノを持ってこい、と言っていた本部長を批判していたような人だから、ゴム会社の誰も思いつかないものをよくぞ思いついた、と常識のない企画者を誉めたに違いない。

カテゴリー : 一般

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