2019.07/13 高分子のプロセシング(17)
自由体積分率がばらつくと、高分子成形体の密度もばらつくことになる。密度がばらつけば、弾性率や誘電率もばらつく、という具合に諸物性の連鎖を理解できると、自由体積の正体だけでなくそれを制御する方法を知りたくなる。
ところが、自由体積分率は、コンパウンドの配合で変化するだけではなく、プロセスで設定される条件や、そのばらつきなど様々な要因によっても変化する。
混練では、混練機とその運転条件や動作のばらつきで自由体積分率は変化していると思われる。混練プロセスでばらつき、さらに成形プロセスでもばらつくので、高分子の成形体物性のばらつきを抑える技術は難しい。
このプロセス段階で制御できない自由体積について、高分子を説明するときに無視できない。しかし、厄介なことに非晶質構造のため、形式知が乏しく気軽に測定したり設計段階で予測したりすることができない。
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