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2019.08/07 高分子のプロセシング(29)

試料に規則正しい振動を与え、センサーで試料を伝わった信号を検知して、それを記録する装置である。

 

 

この時、時間をそろえて入出力のデータを比較すると応答の遅れ角を計算できる。それをδとするとtanδという値が求まる。

 

 

この値は損失係数と呼ばれるもので、試料内部でどれだけのエネルギー損失があったのかを示している。

 

 

二枚の円盤の力学的パラメーターと、試料に入力された信号、そこで発生した応力及び歪量(変位量)から剪断弾性率G’が求まる。

 

 

エネルギー損失が試料内部の粘性により生じていると考え、その値(弾性率の次元を有する)をG’’とすると、G’’=G’ tanδ として求めるのは経験知として違和感は無い。

 

 

レオロジーの教科書では、複素弾性率G*なるものを次のように定義し、tanδを実部と虚部の比率と定義し、実部を貯蔵弾性率G‘と呼び、虚部を損失弾性率G’‘と呼んでいる。

 

   G*=G‘ + iG’’   tanδ = G’‘/G’

 

 レオロジーについては後述するが、粘弾性測定装置を混練や成形条件を調べるために活用するには、G‘もしくはG’‘、tanδの温度分散を調べるとよい。

 

 

また動的粘性率は、動的粘弾性においてG’‘を角振動数ω(周波数をfとするとω=2πf)で除したものであり、毛管粘度計などで測定される絶対粘度を密度で除する動粘度とは異なるので注意が必要である。

カテゴリー : 高分子

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