2019.08/23 実験
実験は仮説を確認するために行え、は、科学こそ技術開発の唯一の方法と信じられていた時代の考え方である。
企業の研究所において部下をこのように指導されている方は今でも多い。しかし、技術開発において実験の目的はそれだけではない。
むしろ、実験を仮説確認のためだけという考えのほうが間違っている。アカデミアにおける実験ならばそれでも十分かもしれないが、技術者にとって実験は機能確認のために行う場合が多い。
タグチメソッドでは、まさに基本機能のロバストを確認するために実験を計画する。効率を上げるためにラテン方格を利用したりもする。
また、機能を確認するためだけでなく、新しい機能を探すために実験を行う場合がある。
この実験の目的や方法が意外としられていない。昨今の新技術の話題は生化学や通信情報分野が多く、20世紀にあれだけ騒がれた材料分野では、ほとんど新技術の話題が無くなった。
生化学や通信情報分野の新技術に新材料技術も必要なはずだが、例えば高周波対応の材料については従来の素材の科学的に自明の方法による改良技術しか話題になっていない。
10年ほど前に負の誘電率が少し騒がれたが、それに対応した材料技術を特許で探しても公開されてきていない。
実は負の誘電率については1990年代に実験を行い気がついていたが、科学的にあり得ない、と否定されたのでそのままにしていたが、最近面白い実験結果が出た。
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