2019.09/19 帯電防止技術
簡単な帯電防止問題ならば、表面比抵抗の値をそれなりに下げてやれば解決できる。10乗のオーダーあればこの手の問題はそれほどの難問にならない。
ところが、表面比抵抗を十分に下げたのに、静電気の問題が起きると、途端に問題の解決が難しくなる。
有名な話がアメリカで40年ほど前に起きたという手術中の出来事である。帯電防止のために床はステンレス製だった。
金属性の床なので導電性があり、履物にもカーボンが用いられて導電性を良好にして静電気対策として完璧と思われた。
しかし、手術中に患者とメスの間で放電が起き、患者はショック死したという。この話は、静電気を御存じの方ならば伝説として聞かれていると思う。
すなわち、患者は誘電体でありベッドの上に孤立した状態だった。患者とベッドそして床への接続が不十分だったためである。
事故が起きてから、あるいは故障が起きてからその難しさを理解できるのが帯電防止技術である。あまりにも複雑な場合もあるので「帯電防止科学」ではないのだ。
ただし、幾つか鉄則がある。すなわちノウハウというもので、それをどのように伝えてゆくのか、日々苦労して考えている。悩んでいる人にはご相談に乗ります。
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