2019.09/21 高分子のプロセシング(45)
配合設計以外に混練条件も影響するが、これは複雑である。
例えば面白い実験結果として、PPSと4,6ナイロンの相溶が高剪断領域で起きた、という報告がある。
その報告ではPPSと4,6ナイロンが混練されたコンパウンドを二枚の透明なガラス製円盤で挟み、片方を回転させながら、顕微鏡でその場観察している。
試料の温度を310℃まで加熱したところ、剪断速度の高い周辺部で透明になったという。
これは高分子の相溶に混練時の剪断速度の効果があることを示している。
ポリマーブレンドの配合設計に関してはノウハウの部分も多いが、特許等公開されている資料を整理することにより目的とする高分子物性の設計が可能である。
しかし、配合設計された組成物でも混練で期待した組成物にならない場合がある。混練の制御因子についてはタグチメソッドを用いて設計してゆくと効率が良い。
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