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2019.10/23 タイヤのコモディティー化

タイヤと言う商品は、単純なゴムの塊ではない。例えば乗用車用タイヤであれば40部材前後の組み合わせで製造される製品で、その製造技術に高度な材料知識とノウハウが要求される。

日本におけるアジアンタイヤのブームに少し警鐘を鳴らしたい。40年前タイヤの品質には、まだ明確な差があり、それがシェアに現れていた。

当時のトップはグッドイヤーで、1970年代にはブリヂストンにまだグッドイヤー駐在員の特別室があった。

当時のタイヤ世界ランキングは、1位がグッドイヤー、2位はミシュラン、3位はファイヤーストーンでブリヂストンは6位だった。

ミシュランはラジアルタイヤを発明したベンチャー企業でバイアスタイヤは、ほとんどラジアルタイヤとなった。ブリヂストンンで製造されているタイヤは航空機用もラジアルタイヤである。

航空機用ラジアルタイヤの製造技術は難易度が高く、いまでも一部バイアスタイヤが使われていると聞くが、それを最初に製品化したミシュランの技術は40年前世界最高と言ってよい。

しかし、乗用車用タイヤに限れば今ではどこでもラジアルタイヤを作れるようになったようだ。40年間に技術の普及が進んだ。今や世界に40社以上タイヤメーカが存在する。

それではタイヤが汎用商品と呼べるほど世界に技術が普及したのかというと、そうではなさそうな現象が起きている。昨年から今年にかけて中国の6社のタイヤメーカーが倒産したという。すなわち、今淘汰が始まりかけたのだ。

このような場合にユーザーは注意しなければいけない。低品質で安価なタイヤが市場にあふれ出すからだ。黒くて丸ければ皆同じとならないのがタイヤという商品である。

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