2019.11/12 首里城の復元問題
首里城の復元において、正殿の瓦を作成した職人が他界しているので復元困難との報告が沖縄の瓦職人から出されているという。
これには少し驚いた。技術の伝承を軽視しておれば起こりうることであり、瓦を使用した日本建築が少なくなってきているからだ。また、瓦などの焼き物技術について、職人が秘術とする例もある。
当方もサラリーマン時代、開発を短時間に行うアジャイル開発の手法については秘術としていた。
例えばコンパウンディング技術をご存知の方であれば、カオス混合のプラントを基盤技術のまったく無い会社で開発スタートからたった3ケ月で稼働させた、というとびっくりするか、あるいは信じてもらえないのかどちらかだろう。
しかし、これは真実である。前任者がコンパウンドの開発依頼していたR社との打ち合わせでリーダーである当方の開発方針が却下されたところから開発は始まっている。
もしR社がカオス混合技術を信じてくれたなら、当方は休日にゆっくり休むことができたが、R社がカオス混合技術を否定したので「自腹で」東京へ土日帰宅し、工場建設を準備する羽目になった(当時単身赴任の管理職が出張名目で帰宅する問題が労働組合から指摘されていた)。
そしてアジャイル開発により3ケ月で工場を立ち上げるのだが、これは秘術である。マジックと呼んでいいかもしれない。タネや仕掛けがある。
しかし、首里城の瓦はマジックではできないだろう。ここはアカデミアの登場である。瓦を科学の力で解析し、技術で作れるようにしなければいけない。
ちなみに名古屋工業大学は、旧無機材質研究所と同様にセラミックスの解析に強い大学である。当方の出身大学ではないが、昔SiCの分析法について相談に行った記憶がある。
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