2019.11/13 プログラミング教育の難しさ
小学生に情報工学として何を教えたらよいのか。文部省の指導要領によれば、科学的に教えよ、とあるから、この指導要領に従えば、手続き型言語を一つ小学校4年生までに使えるようになることを目指せばよいと思う。
小学生におもねり簡単にした言語でなくても、BASICで十分だと思っている。BASICが難しいと思っているのは大人だけであり、きちんと教えると1年生でも足し算の結果を画面表示させるプログラム程度を1ケ月でマスターする。
但し、これは指導要領に従った当方の意見だが、指導要領に従わなければ、パラダイムなる概念を小学校3年生までにしっかりと教える。すなわち、問題を考えるときに科学的方法と科学によらない方法があることをしっかりと教える。
そして、数学の問題を解くときに、科学的に解く方法が答えでは大切だが、その答えを得るのに非科学的方法が有効であることを教えたい。
こうすることにより科学という哲学の限界とその役割が明確になると思うのだ。これはプログラミングスキルに限らず日々の問題解決に重要なことだ。
例えばオブジェクト指向のプログラミングを行う場合に、科学の立場ではオブジェクトの中身がすべてわかっている必要があるが、非科学の立場では、オブジェクトの概略の振る舞いさえ決まっておればよい。
ひどい時には、中身のないオブジェクトを仮に作っておくセンスもオブジェクト指向では要求される。これは難しいようだが、すでに誰もがその恩恵と被害を受けている。
プログラミングでアジャイル開発ができるのはこの非科学のパラダイムのおかげであり、初めて販売されたソフトウェアーが何度もバージンアップし安定化したり機能が増えてゆくのはこのパラダイムでソフトが作られているからだ。
しかし、情報工学の専門家はこのような説明をしないから、文部省の前時代的な指導要領となった。指導要領が現実を無視しているので現場が混乱していると思っている。
カテゴリー : 一般
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