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2019.11/29 半導体高分子の設計事例

半導体高分子を製造する方法として、導電性微粒子を高分子に分散する材料設計法がある。この時のパーコレーション転移の制御には高度な技術と材料設計技術が必要になる。

 

 酸化第二スズゾルを用いた薄膜導電層の設計では、(1)酸化第二スズゾルが、水溶性コロイドの状態で超微粒子のクラスターを形成しており、形状の異方性が期待されたこと及び、(2)形状の異方性とバインダーの組み合わせでパーコレーション転移の閾値が変化すること、この2点を制御因子として超微粒子の添加割合が18vol%という低い値でパーコレーション転移を安定に実現している。

 

 導電性微粒子のアスペクト比(長径/短径)が変化した時のパーコレーション転移について、微粒子の導電性を100Ωcmと仮定した時のコンピューターシミュレーションを行ったが、統計的確率に制御されてパーコレーション転移が起きている場合には、アスペクト比が、大きくなる、すなわち異方性が大きくなるほど導電性微粒子の添加率が少ない領域でパーコレーション転移を起こすようになることが明らかとなった。

 

ちなみに、酸化スズゾルクラスターの見かけのアスペクト比は4であり、コンピューターのシミュレーションでは、アスペクト比4の場合に0.175(17.5vol%に相当)に閾値が現れているので、実験値をシミュレーションはほぼ再現している。

カテゴリー : 高分子

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