2019.12/20 言葉の難しさが技術を難しくする
混練の読みは、湯桶読みであれば「コンレン」であり、重箱読みであれば「コンネリ」である。
ただ物質を混ぜて分散するだけであれば、混合という言葉が存在する。混練は、混合と練りを行う操作であり、「コンネリ」のほうが読み易く意味も分かりやすい。
英語になると、MixingやKneading、Blendingなどの言葉が存在し、調べてみてみても明確な定義が無い。
Mixerが混練機という言葉として用いられ、押出機であるExtruderのカタログにTwin Screw Extruder が載っていた。二軸混練機が欲しいならば、そこから選ぶことになる。
中国Coperion社の技術者に、押出機ではなく混練機のカタログが欲しい、とホワイトボードに漢字で混練機と書いたら、同じ機械だと教えられた。
日本が中国から漢字を習ったときに押出機と混練機とは別だったのではないか、と質問したら、その時は機械が無かったはずだ、と真顔で答えられ、さらに通訳は笑っていたので、気にする必要のない差異なのだろう。
その他に、同じような形をしたバッチ式の機械でも、かたや加圧ニーダーと呼ぶが、バンバリー社の機械はバンバリーと呼ぶ。
しかし、ニーダーとバンバリーは動力の大きさで分けられる、という説もあるが、ロールと組み合わせて用いる装置をバンバリーと呼び、それ一台だけでゴムを練り上げられる装置をニーダーと呼ぶ技術者が多い。
あるニーダーメーカーの装置を借りたときに、バンバリー型ニーダーがあります、と言われた時には、少し頭が混乱した。
そのバンバリー型ニーダーは、紛れもなく全体の形はバンバリーであり、ロータの付け根の部分はドライシールで、加圧ニーダーと呼んでもよい装置でもあった。
このような言葉の氾濫もこの分野を難しく感じさせる。
用語の難解さから難しいと感じるのは、レオロジーも同様である。ただし、難解に見えるが、高分子鎖の絡み合いとその運動あるいは分子量と粘度の関係などから、情報を整理してみると「何となく」見えてくるものがある。
レオロジーは、混練で起きている高分子の現象を理解する時に役立つので努力して使えるようにしたい。
カテゴリー : 高分子
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