2019.12/28 ポリマー混練り活用ハンドブック(3)
この本は、2005年に中間転写ベルト開発を担当した時に読みたかった本である。それが世の中になかったので今回自分でまとめてみた。
とりあえず、混練の本として盛り込むべき内容を盛り込んだつもりである。そして表題に「混練り」とつけたのは、既存の混練に関する書籍の大半が混合分散に終始していることにあてつけたものだ。
ポリマーの混練は、フィラーやポリマーをただ分散しているだけのプロセスではない。そこのところにこだわって「り」をあえてつけている。
また、この本では最先端のマテリアルインフォマティックに関しても一つデータを提示している。ただしこの研究テーマがどのように流れてゆくのか不明なのでマテリアルインフォマティックとは述べていない。
すなわち測定データ駆動型新材料開発を試みた実験結果を掲載しているだけだが、これは今東大の先生方が提唱されているプロセスインフォマティックに含まれるかもしれない。
ただ当方は、この手のはやりものにかぶれて書いている、と思われたくないのでひっそりと一つデータを掲載しているだけだ。
そのデータとは、射出成形体の強度は弾性率と靭性の関数になるという混練の神様が教えてくれた経験知をもとに、新たな材料開発を行ったときのデータだ。このデータ群から難燃剤を添加しないでリサイクルPETの難燃化処理に成功している。
このハンドブックには、このように最先端の香りも盛り込んでいるが、学術書ではない。あくまで経験知と形式知をハンドブックとした書籍である。
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