2019.12/30 粉砕で微粒子はどうなる?
セラミックスでは、粉体の粉砕技術は重要である。それゆえ40年近く前のセラミックスフィーバーでも様々な粉砕機が開発された。
また、粉砕により粒子が正規分布するだけでなく、多分散系となることも確認された。そしてサブミクロンの粉砕を行うためには時間をかけなければいけないことが分かってきた。
高分子の混練の教科書を読むと粉体が解砕されてゆく機構が書かれているが、その時粒子がどのような分布になるのか言及していない。
ゴムにカーボンを配合するケースは多いが、カーボンは一次粒子が金魚のうんこ状態でつながっている。困ったことにうんこの形態まで変化する。
ロール混練では時間をかけてうんこ状態をうまく分散できるが、二軸混練機では一定時間で混練物が吐出されるのでさまざまな分布となっていることを容易に想像できる。
力学物性では、マトリックスの弾性率に依存し80から800μmまで許容される凝集粒子の大きさが異なる。
すなわち最大粒子径がある一定値を超えると靭性に影響が現れるので、引張強度が低下する。
電気物性では、分散状態の影響が力学物性よりも大きく現れる。パーコレーションの問題は力学物性にも存在するが、電気物性で大きな問題となるのは、パーコレーション転移前後でその物性が大きく変化するためだ。
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