2020.01/05 働く、ということ
昨年は、「働き方改革」が各企業で推進された年だ。今年もこの継続を行う企業が多いのかもしれない。WEBニュースをみても働き方改革の話題がいくつかある。
当方が就職した時には、2年間残業手当がつかないルールだった。だから、新入社員は各部署で無償の働き手として定時後も働かされた。
ただし基礎研究部門は、管理職はじめ先輩社員も定時で帰宅していたので、楽だった。しかし、同期の友人たちが夜遅くまで働いている姿を見て、当方もしばらくしてサービス残業を行うようになった。
そして1年の予定だった新入社員テーマを3ケ月で仕上げたのだが、苦痛ではなかった。深夜残業を行った日もあった。しかしゴム練りという初めての作業が面白くて働くことが楽しかったのだ。
転職して専門外のフィルム成形とその加工という職についても働くことは楽しかった。楽しかった、というよりも自分で働く楽しみを見つけていった。
今の時代、どのような仕事でも自分の裁量で進められる仕事があるはずである。ほんのわずかでもそのような仕事を見つけなければいけない。
その仕事で楽しむのである。100%近くが押し付けられた仕事であっても1%の自分の自由にできる仕事を見つけてみてはいかがか。
自己実現の努力とまで言わないが、担当した仕事の中に自分の自由にできる部分をみつけ、そこで力いっぱい楽しんでみる努力は、働く意味からも間違ってはいない。
昔当方の仕事ぶりを見て、趣味で仕事をするな、と叱った上司がいたが、それでも成果がでると喜んでくれた。ただし成果が出ても業務査定に良い評価をつけてもらえなかったが。
それでも、その時の働いた思い出は楽しい思い出として残っている。上司が学会活動を行っていたので、成果をすぐに発表でき公開されたので、学位論文作成に役立った。
技術で成果を迅速に出し、科学でそれを解析評価する仕事の進め方をしていた。難燃性ホスファゼン変性ポリウレタンや難燃性ホウ酸エステル変性ポリウレタン、高防火性シリカ変性フェノール樹脂がこの二年間に開発された。
高防火性シリカ変性フェノール樹脂は、高純度SiCの前駆体技術へ応用された。技術による開発の効率の高さを実感した。また、高防火性フェノール樹脂は、M社台所用天井材としてアジャイル開発された。
絶えず迅速に成果を出す当方に対して、趣味で仕事をやっている、と批判しながらも成果を商品化してその上司は昇進した。
ただし、上司の企画書と当方の成果は異なっていたが、期末には帳尻合わせが行われ、上司はせっせと学会発表も行っていた。おそらく学会の反応を見ていたのかもしれない。
カテゴリー : 一般
pagetop