2020.01/14 花王のパソコン革命(1)
その昔、表題の本がベストセラーになった。パソコンの黎明期に8ビットコンピューターPC8001を使用してOA化を進めた花王の成功体験記である。
この本の影響は大きく、ゴム会社でもさっそく花王を見習ってパソコンを導入しOA化を行おう、と研究部長から大号令が出た。
当方の上司がリーダーに任命され、各課からコンピューターに強そうな人材が集められプロジェクトが結成された。
ただし、予算は0である。これが小生の給与が無くなり独身を長くする原因となった。
表題の本の内容はかなり誇張されて書かれており、それを管理職がまともに受け、安いパソコンを使えばOA化にお金がかからない、という誤解を生んだ。
研究予算削減運動と結びつき、今巷で行われている働き方改革の失敗よりひどい状態となった。
少なくとも当方個人にとっては、給与のほとんどを会社に献上しなくてはいけないというひどい状態になったのだ。
サービス残業が常態化しているうえに労働対価として守られるべき給与でパソコンを買うことを命じられたのだ(注)。
個人に犠牲を強いて会社の予算を削減するというすさまじいマネジメントだったので、このプロジェクトではOA委員の懐が狙われることになった。
(注)ある日当時の上司から風邪をひいたので家まで車を運転していってほしい、と業務時間中に代行運転を依頼された。作業着でご自宅まで上司と車を届けたら、近くにバス停があるから、そこからバスで帰るように命じられ、バス代すら頂けなかった。作業着に安全靴というスタイルでバスで会社まで帰った思い出は、少し惨めだった。管理職の公私混同が許されていた時代だった。
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