2020.01/21 オブジェクト指向とは
MACやWINDOWS、iPHONEなどはすべてオブジェクト指向でプログラミングされ、またオブジェクト指向で駆動される。
例えば、WINDOWSシステムでワープロを使いたいならば、WORDのアイコン(オブジェクト)をダブルクリックするとWORDが起動される。
すなわち、オブジェクト指向では、コンピューターで自分が使用したい機能を実現してくれるオブジェクト(実体)に働きかけて、機能を利用する。
この時、複雑な機能の詳細はオブジェクトの実体が動き出す(この動作、振る舞いを規定しているのがプロパティー)まで不明である。
ワードなどが動き出すと、メニューとして多数のアイコンすなわちオブジェクトが表示される。ユーザーがワードを利用したい時には、利用したい機能が組み込まれたオブジェクトであるアイコンをクリックするだけでよい。
このように、オブジェクト指向では、常に利用したい機能についてそれがオブジェクトに組み込まれており、このオブジェクトが呼び出されれば(ユーザーがオブジェクトであるアイコンをクリックするだけで)動作する。
オブジェクトに組み込まれた複雑な機能、すなわちそれを実現するためのプログラムを意識することなく、ワードを使うことが可能である。
ここで問題となるのは、オブジェクトとしてどのようなものを用意するのか、またそのオブジェクトがユーザーの求めに応じた振る舞いを行うためにユーザーの求めるどのようなオブジェクトを実装すればよいのかは、プログラマーの世界観に左右される。
すなわち、科学では真理が一つなので最も硬い物質、といえばそのオブジェクトはダイヤモンドと決まるが、プログラミングにおけるオブジェクトの設計では、プログラマーの世界観すなわち彼の日々の営みから形作られる実体となる。
換言すれば、オブジェクト指向では、どのようなオブジェクトとなるのかを唯一決めることができず、これを決めることができるのはプログラマーであり、プログラマーの日々の営みから形成された世界観でオブジェクトが作られることになる。
昔、表計算ソフトは表計算以外の用途に使用できなかった。しかし、最近の表計算ソフトは、ワープロとしても使用可能で、例えばプロジェクトの議事録作成に使えば、一括して議事録を管理でき、専用ワープロよりも便利である。
実はこれはオブジェクト指向プログラミングで実現できた振る舞いであり、昔の手続き型言語、例えばフォートランで実現しようとするとプログラムは長くなるだけでなく複雑となる。
オブジェクト指向では、オブジェクトの設計、すなわちどのようなオブジェクトを用意するのか、ということと、用意したオブジェクトの振る舞いを決めることはプログラマーの世界観に合わせる必要があるが、ユーザーは用意されたオブジェクトとその振る舞いを理解するだけでコンピューターを利用することが可能となる。
ワードやエクセルでユーザーが難しいと感じるところは、プログラマーの世界観であり、これは初対面の人と会話をする状況と似ている。
挨拶をしたり、名刺交換をするだけであれば易しいが、業務上の交渉ごとになると難易度は変わる。
ハンバーグの売買などはマニュアル化できても、新事業や新規顧客開拓など科学のような正解が一つとならないシーンでは、マニュアル化すら難しい。
しかし、こうした難易度の高い非提携業務でもオブジェクトとしてまとめ上げることが可能で、ベテランのビジネスマンならばそれをノウハウとして身に着けてゆく。
技術者はオブジェクト指向を導入すれば、形式知と経験知をうまく使えるようになる。
例えば、混練のオブジェクトを分配混合と分散混合とするのか、剪断流動と伸長流動とするのかは、混練で材料を変性しようとするときにそのオブジェクトの使い勝手が変わる。
ゴムタイムズ社から出版予定の混練の本(1月中に弊社でサービス販売予約受付中)は、従来の類似書籍と異なる世界観でまとめた内容です。
混練がテーマとなっていますが、高分子について学びたい初学者にも参考になります。高分子材料と関わる方、すべてに読んでいただきたい本です。
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