2020.01/31 花王のパソコン革命(3)
花王では、8ビットのPC8001で事務管理をやっている、と本に書かれていた。ゴム会社では、事務の一部はIBMの大型コンピューターで管理されており、各部門にその端末が一台置かれていた。実態は、花王よりも進んでいたのである。
大型コンピューターの端末の価格は、当時300万円前後と言われていた。PC8001は、すでに12万円程度になっていた。但しこの価格はCRTその他が付属していない仕様の価格である。
もしデータベースプログラムが稼働し、そのメンテナンスができるようにするには、本体以外にCRTやフロッピーディスク、プリンターなどが必要で、NEC製で揃えても50万円以上となった。
ただし、このセットでもIBM大型コンピューターの端末同様に漢字表示できないので、これを漢字表示可能にするには、インターフェースボックスと漢字ボードが必要となる。
それならば、ソード社の100万円前後で売られていたシステムが有利であり、漢字表示できて、8ビットCPUが二つ付いており、PC8001よりも速く動作した。
さらにOSやワープロなどのソフトもついていたので、当時のコンピューターシステムでは、最も安価だった。PC8001で同様の仕様まで揃えると100万円を越えた。
以上の調査結果を一覧表にして上司に説明したら、一言「君たち花王のパソコン革命という本を読んだかね。PC8001一台でOA化ができたと書いてある。」となった。
CRTやフロッピーディスクの必要性を説明しても理解してもらえなかったばかりではなく、研究所に設置された大型コンピューターの端末よりPC8001が優れていることを知らないのか、と言い出した。
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