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2020.02/10 高分子の熱重量分析(6)

リン系の難燃剤では240℃を超えたあたりでオルソリン酸の揮発が観察されるときがある、と以前書いた。

 

ホスファゼンではこれが観察されない。また、実際にオルソリン酸が揮発する難燃剤でそれを補足できるかどうか実験を行ったところ、10℃/minの昇温速度で270℃を過ぎたあたりの温度領域で発生していることを40年前確認している。

 

この当時は、アカデミアよりもアカデミックな研究を行っていた部署に配属されていたので、丁寧な実験データを採取していた。

 

ゆえに熱重量天秤の校正なども真面目に行い、機種間の差異を評価したりして、真空理工の熱天秤以外使用しない方針にしたことを記憶している。

 

真空理工の熱天秤では、TGA計測中の発生ガスを補足する実験も行いやすかった。特製注射針を突っ込んでガスを取り出すだけであるが、他社の熱天秤ではこのような作業でもやりにくい構造だった。

 

真空理工の熱天秤はシンプルな構造で実験が容易だった。TGA測定中のサンプル状態の観察もやりやすかった。とにかく真空理工の前園社長がその道の専門家だったので研究者のことを配慮して設計していたのだろう。

 

とにかくTGAの計測で難燃性ポリウレタンに用いるリン系難燃剤には2タイプ、細かく分類すると3タイプ存在することがわかった。

 

また、大八化学工業が頑張っていた時であり、この研究を行っている時にも協力してくれて、難燃剤の細かい分析情報を提供してくれた。

 

最近はあまり細かい分析データを質問しても教えてくれない材料メーカーが多いが、昔はどこも丁寧に分析データを教えてくれた。

カテゴリー : 高分子

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