2020.02/19 MIの事例1
界面活性剤について教科書を読むとHLB値という値でその機能及び効果が決定されると書いてある。
HLB値とは、親水基と疎水基の比率を数値化したものであり、界面活性剤の界面効果を科学的に考察するときによく用いられる。
これは間違いではないが、等しいHLB値であっても界面活性効果の異なっている場合があることについて教科書には書いてない。
例えばポリウレタン発泡体の製造に界面活性剤が使用されるが、HLB値が等しくても代替できないケースが多い。すなわち、発泡反応における界面活性剤の機能がHLB値だけで決まらないことを示している。
今界面活性剤のカタログが手元にあるならば、カタログに書かれた界面活性剤の物性値を見ていただきたい。HLB値以外に曇点とか様々な物性値が書かれている。
このカタログデータについて主成分分析を行ってやると、第3主成分までで80%以上説明できるような結果が得られ、第一主成分の寄与率は60%を超える。
この時第一主成分はHLB値と大きく相関しており、第二主成分は曇点などと相関している。
この第一主成分と第二主成分の象限に主成分得点をプロットしてやると、第一主成分近くに分布するサンプル群以外にいくつか第一主成分の軸から外れた群が観察される。
これは界面活性剤の等しいHLB値の対であっても、同じ界面活性効果を示すとは限らないことを表している。詳しくは3月31日のセミナーで解説する。
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