活動報告

新着記事

カテゴリー

キーワード検索

2020.04/07 高分子材料技術の難しさ

当方の学生時代の高分子分野の授業では、高分子合成に関する形式知が内容の大半を占めていた。

 

公害で化学の人気は無かったが、有機合成化学は化学分野の花形学問で、高分子についても新しい重合反応や新規高分子開発がその研究の中心だった。

 

ゴム会社に就職してびっくりしたのは、大学のカリキュラムにはほとんど入っていなかった高分子物性について、知っていることが技術者の義務だった。

 

高分子合成研究室なるものが研究所にはあったが、その研究所でも研究の中心は高分子のレオロジーや高分子の破壊力学だった。

 

入社したときに、指導社員からダッシュポットとバネを用いたレオロジーの研究は終焉すると教えられた。

 

その方は大学で3年間レオロジーをダッシュポットとバネを用いて研究してきたバリバリのレオロジストで、関数電卓を用いて難解な微分方程式を解くような優秀な研究者だった。

 

曰く、新しいレオロジーは高分子1本から積み上げる様な学問になるだろうと予見していた。

 

そして混練では、カオス混合が究極の混練技術として研究の中心になるかもしれないので、ロール混練りのパラダイムをよく勉強するように言われた。

 

しかし、合成化学しか勉強してこなかった当方にとってレオロジーは極めて難解で、すぐに理解できない内容だった。

 

指導社員は、そのような当方の悩みを毎朝3時間、高分子科学の形式知について易しく講義してくださった。

 

睡眠学習も含め3x6x25x2時間その講義(ダッシュポットとバネの話と破壊力学の話を除いた内容の書籍をこの3月に出版しました)を拝聴し、実務の問題をなんとか解けるようになった。

 

ただ、電卓で常微分方程式を解く能力は無かったので発売されたばかりのマイコンMZ80Kを買った。

カテゴリー : 未分類

pagetop