2020.04/28 試行錯誤(2)
電気粘性流体の耐久性を界面活性剤を用いて改善できない、という科学的に完璧な報告書が提出されていたが、その存在を知らされなかった当方は、たった一晩の実験で、電気粘性流体の耐久性問題を界面活性剤で解決できるという結果を出してしまった。
この結果は特許出願されているが、否定証明で完璧な論理展開をして導かれた科学の結論でもひっくり返る可能性があるのはなぜか。
それは自然現象を実験室で行うときの限界があるからで、完璧な自然現象のモデル化が困難なことは、技術者ならば経験から理解している。
例えば平衡を実現することは至難な業である。ゆえに非平衡化で実験を行い結論を導くことになった場合に論理が完璧であっても実験結果に不完全性が残る。
換言すれば、科学の真実をひっくり返そうと試みたいならば、平衡条件と非平衡条件で現象が大きく異なり、準安定状態を平衡状態と勘違いしやすい現象を探せばよい。
混合や攪拌はその典型例であり、プロセスの途中で高分子を平衡条件にすることなど不可能である。ゆえに混合攪拌過程について語られる形式知に縛られる必要はない。
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