2020.05/02 方法の問題
昨日政府のコロナ対策専門家会議の詳細報告があった。その内容にがっかりした。日本国民は、専門家会議の科学者たちの実験サンプルになっているようだ。
当方は専門家ではないので、専門の内容にコメントできないが、日本国民を安全に守りながら経済活動も行ってゆくにはどうしたら良いのか、という方法の検討については、コメント可能である。
すなわち、当方の不満は専門家会議のメンバーが、「ゴール」に対してそれを「実現するため」の「考えられうる方法」について「すべてを議論」していないところにある。
こうした問題は、企業の研究開発でも起こりうる問題で、研究開発担当者が技術開発経験に乏しいと、しばしば発生する。
ところが、しばしば発生してもその問題に担当者が気づくことなく、技術開発に失敗するのか、あるいはその問題に気がついた人が出てきたならば、ハチの巣をつついたような騒ぎの議論になる。
このような問題では、皆が科学を正しく理解し技術開発に合意している必要がある。そうでなければ、強権を発動し是正する以外に解決策はない。
当方は、電気粘性流体の耐久性問題をゴム会社で担当したときに、まず着目したのは、ゴールを達成するための方法である。
詳細は省略するが、FDを壊した犯人から命じられたのは、「科学的には正しい」が、その方法では「品質の確保された製品を完成」させることが「絶対にできない方法」だった。
科学的に考えたときに二律背反の事象を含む問題では、技術の方法で問題解決しない限り、ゴールを実現できない。
電気粘性流体の耐久性問題に対して、当方が発揮した強権は、たった一晩で具体的なモノを提案したことだった。
さらに電気粘性流体の商品設計について、皆が理解し納得できる「あるべき姿」を具体的なモノで提示した。それは、それまで担当してきた人たちに対しては少し刺激が強すぎたが、高純度SiCの事業が立ち上がり始めていた時だったので、当方の業務時間を電気粘性流体開発に割かないための手段だった。
残念ながら、昨日の専門家会議の説明を聞く限り、経済活動が従来のレベルまで回復するためには、ワクチンなどの手段が開発されるまで待たなければいけない。
当方なら専門家会議と異なる方法を提案する。もっとも残念なのは日本がこのようなときに柔軟な対応を取れない社会体制、という根本的な問題を抱えているので、日本人が科学者たちのサンプルであり続けることに甘んじなければならない。
カテゴリー : 一般
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