2020.05/10 方法の擁護
日本のウィルスバスタ-が批判にさらされている。理由はPCR検査の量が少なかったこととその運用基準である。
すでにこの問題について説明しているので、本日は少し異なる視点で彼らの方法について当方の感じていることを述べる。
今彼らへの批判はこれまでにも指摘してきたが、企業の研究開発過程においてもしばしば見られる光景である。
それでは、彼らの方法が間違っていたのだろうか?当方は専門外なので彼らの方法について細かいコメントはできないが、PCR検査の信頼性が低い問題について、コロナの症状が明らかな感染者についてだけ行う方針にしたのは、一つの正しい方法だと思っている。
ここで、「一つの正しい方法」と書いたのは、科学ではありえないが、技術では取るべき正しいアクションが複数考えられることがある。
これは、科学では真理が一つであるが、技術では機能を実現できればなんでも良いのだ、という科学と技術の本質的な特性の違いから生じる。
おそらく日本のウィルスバスターは、これが分かっていなかったのではないだろうか。
今回のコロナウィルス対策については、形式知において不明点が多く、そのため科学では対応が難しく技術的センスによる対応が重要である。その時の仕事の進め方を彼らは知らなかったのだ。
それでは彼らはどうすればよかったのか。当方は専門家ではないので一般化した回答しか答えられない。例えば、
1.PCR検査の信頼度について示す。2.1を基にPCR検査の抱える問題とそれを運用した時に発生する問題を示す。3.PCR検査の運用方法とその得られた結果に対してどのようにアクションをとってゆくのか示す。4.事前に複数の考えられるアクションすべてについて影響と評価を示す。
一番最初に最低限でもこのようなことを国民に示さなければいけなかった。もし最初に示されておれば、現在起きているような批判は少なくとも回避できた可能性がある。
ちなみにこれはFMEA的手法である。すなわち、研究開発において一番最初の企画の説明では、自分たちが推進する戦略以外に他の戦略の可能性があるならば、それらのすべてについて実施した時の評価を提示するのが上手な方法である。
許されないのは、自己の責任回避のために合議でさしあたりのない戦略を決める方法である。例えば、今回世界はPCR検査を積極的に行っていたので、日本もこれに倣う、という戦略である。
おそらく日本の感染状況から逆算すると医療崩壊したかもしれない。今かろうじて医療崩壊もせず、死者数も世界の水準からは少ないので、日本のウィルスバスターはよく頑張ったのだと思っている。
弊社は7日からの予定を変更し明日から通常営業に入るが、当分は出張業務を控えるか、出張の際には社有車で出向く予定である。
カテゴリー : 一般
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