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2020.05/11 説明できない仕事

2005年に担当した中間転写ベルトのテーマでは半年後までに製品を安定供給できている必要があった。しかし、外部のコンパウンダーは改良案を採用してくれない、また、ベルト成形の改良手段も6年近く開発してきたので手詰まりだった。

 

10%にも満たない成形歩留まりを半年で90%以上に上げるには、思い切った手を打つか、白旗を挙げるのか、どちらかしかなかった。リーダーとして大変わかりやすい問題だった。

 

但し思い切った手を打つと言っても生産立ち上げ直前のフェーズであり、QMS上の制約から配合を変更できなければ、サプライチェーンの変更も難しかった。

 

コンパウンドの内製化について、品質保証の在り方も含め、社内における合意が難しかった。

 

ただ、センター長が、成功するためにいくら必要かと聞いてくれたので助かった。センター長は成功することだけを考えていたので、当方は成功さえすればよかった。

 

ゆえにセンター長の決済が役員会議で承認されるまでに、子会社の敷地を整地しながら、中古機を購入して関東の某所でそれを組み立てていた。

 

センター長の決済が承認されるや否や組みあがったラインを子会社の敷地に設置し、コンパウンドをベルト成形検討チームに供給し、無事「外部からコンパウンドを購入し、押出成形だけ内部で開発する」という当初の戦略でテーマを成功させた。

 

この時、子会社で立ち上がったコンパウンド工場で使い物になるコンパウンドができるかどうかは、ばくちの様なものだが、実際にはばくちなどしていない。

 

決済が下りる前に某所で製造したコンパウンドでベルト成形を行い、歩留まりが90%以上になることを確認し、それで製品化部隊や品質保証部隊の評価をもらっていたのだ。また、これらの評価結果があったので決済がおりている。

 

ここで大切なことは、目標のモノさえできれば細かい説明など不要であり、QMSに準拠しておれば、それで組織が動くのである。そのためにリーダーたるもの苦労を惜しまない覚悟が必要である。

 

コロナウィルスの対策チームの問題は、PCR検査の信頼性や体制構築について、何も作業が進められていなかったところにある。

 

何をやったらよいのか当方には具体的にはわからないが、データの整理さえ科学的に満足にできていなかったようなので、残念である。

 

組織を動かすときに大変な苦労が必要な時がある。しかし、誰もが目標となるあるべき姿を理想とするならば、火中の栗を拾う決断でも誰かがしなくてはいけない。それが実行されれば組織は動く。

 

カテゴリー : 一般

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