2020.05/17 ギター(2)
ギターは大別すると、ピックアップで弦の振動を拾い振動を増幅するエレキギターと空洞のボディーで弦の振動を増幅するアコースティックギターがあり、後者は、クラシックギターとフォークギターに分かれる。
フォークギターはウェスタンギターとも呼ばれていたが、今はアコースティックギターと呼ぶようになったらしい。すなわち、昔はアコースティックギターにクラシックギターとフォークギターの分類があったが、今は従来から形状変化のない、ナイロン弦のクラシックギターとアコースティックギターと分けているようだ。
そしてアコースティックギターは、1970年代と異なり、オリジナリティー溢れるボディータイプのギターが存在する。昔は、アメリカのマーチン社のドレッドノートと呼ばれるタイプのコピーばかりだったが、モーリスやK.ヤイリ、アリア、ヤマハ、タカミネなど古くから活躍しているメーカーは独自のモデルで差別化を図っている。
面白い点その1として、1970年代のギターブームで雨後の筍の子のごとくギターメーカーや工房が多数日本に生まれたが、ブームが過ぎ去り淘汰されて独自モデルが消費者に支持されたメーカーが生き残った点である。
例えばアリアの高級アコースティックギターを製作していたのは、クラシックギターで有名な松岡良治工房であり、ここは松岡良治氏がお亡くなりになった2年後2014年に倒産している。
すなわち、技術があっても生き残れない世界である。日本のギターメーカーの多くは家具屋が不況となり、木工技術を生かして楽器メーカーに変わったパターンが多い。昔家具職人、今ギターマイスターと自称する職人もいる。
松岡良治工房は、生粋のクラシックギター職人の工房だった。そこが、ドレッドノートタイプの高級ギターをアリアに提供し、鈴なりの美しい響きをしたアリアドレッドノートの名声を高めることになった。
アリアドレッドノートの廉価版はマツモク工業で製造されていたと聞いている。ここはシンガーミシンの木製筐体を製造していた木工会社である。
今は倒産して存在しないが、昔はアリアプロⅡなどエレキギターを製造し、エレキギターメーカーとしてフジゲンとともに世界に知られていた。
楽器作りには繊細な技術がいる、と言われた時代もあるが、今やコンピュータ制御の木工機械が活躍する時代である。市場調査によりニーズを把握し多数の消費者に支持された会社が生き残るようだ。
<参考>
1970年代のアコースティックギターの日本メーカー又はブランド
ヤマハ、Sヤイリ、Kヤイリ、モーリス(←芳野楽器←穂高楽器←長野楽器)、アリア(松岡良治工房)、ジャンボ(田原楽器)、ヤマキ、スズキ、木曽スズキ、カワセ、一柳フェルナンデス、マルハ、ニュアンス、サムグレコ、キャンダ、カワイ、東海楽器(キャッツアイ)等5人からせいぜい20人規模の会社ばかりで東海地方に集まっていた。その他に家具製作の合間にギターを製造していた会社もある。例えば愛知県の牛久保町には家具職人が集まっていたが、今はその面影はない。また、アリアに普及品クラスのギターを供給し、フジゲンとともに並び称された、マツモク工業はミシンのキャビネットを作っていた木工加工会社ですでに倒産している。フジゲンはES335を小ぶりにした独自モデルを発売するなどギターメーカーとして頑張っている。池袋にはアンテナショップがある。
カテゴリー : 一般
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