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2020.06/06 昨日のチコちゃんに叱られる

昨日本欄でゴムのことを少し書いたら、NHK夜の番組で、ゴムを引っ張ると縮むのは何故、という質問が出た。

 

その時のアカデミアの先生の説明では、水のようだから、というのが解になっていたが、もう一言「お手々つないだ」水のようだから、としてほしかった。

 

なぜなら、未加硫ゴムを引っ張れば、ズルズルと伸びて変形したままになるからだ。昨日書いたように、ゴムは加硫することで一般に感じているゴム弾性を示すようになる。

 

もちろん未加硫ゴムでも微小変形において弾性を示すが、昨日の質問は大変形時の弾性について答えるべきだったと思う。

 

ゴムはアカデミアの先生が説明されたように室温では各原子が自由に振動し動いているが、引っ張られると各原子がつながっているためにその自由度が小さくなる。

 

この時の気持ちを考えれば自由に戻りたい、と考えるだろう。だから縮む方向へ戻ろうとするので、昨日のアカデミアの先生が茶目っ気たっぷりに引っ張られたときのゴムの気持ちを考えて、と言われたのは、番組へのサービス精神だ。

 

当方なら恥ずかしくて言えない。なお、このような自由度が束縛される、あるいは場合の数が減少するような変化は、エントロピーで表現されるので、ゴム弾性のことをエントロピー弾性と呼んだりする。

 

但し、このような説明では昨日の番組で却下されただろう。物事をわかりやすく説明するということは、易しいようで大変難しい。難しいことを難しく説明するのは易しいことである。チコちゃんを見ていると、この年でも気づきに巡り合える。

カテゴリー : 一般 高分子

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