2020.07/12 働く
「働く」という意味は、貢献と自己実現だと故ドラッカーは指摘している。テレワークは、まさにその意味が前提になる様式である。
テレワークとなり、過重労働を問題として指摘したニュースが報じられたが、問題とすべきは、それで健康を害した人が増えたかどうかである。
テレワークがうまく機能するためには、労働において個人の組織における裁量がどこまで認められているかどうかに依存している。
個人商店のごとくそれが認められた組織では、テレワークはうまくいっているに違いない。ただ、そのような組織では中間管理職の問題が顕在化したかもしれない。
中間管理職を廃止しても良い、と経営者が感じたならば、どんどんと個人商店形式のマネージメントを進めればよい。
その時新たな事業提案をしてきた管理職を評価し、働いていない管理職については、「日々の仕事の内容」や「日々の成果」を問えばよい。
写真会社で写真フィルム用高分子技術開発の業務を外され、それまで倉庫だった部屋をパーティションで区切り、そこで処遇されたときには何も任務が与えられず特命業務となった。
そこでさっさと豊川単身赴任を決断している。もっとも単身赴任するまでは3年間精神的にきつい状態となったので、ある日帰宅時に中央線を乗り越し、お茶の水で下車している。
そこで、19万円で売られていた新品のギブソンES335(本物である)を見つけ、弾くことができないのに衝動買いしている。このES335は、希望にあふれた学生時代を思い出すのに大変役立った。
会社と個人の関係は、転職を経験すれば大変よく理解できる。ドラッカーは、「働く」意味を定義づけることにより、そこを抽象的に表現し、読者に答えをゆだねている。
経営者には、「知識労働者」の扱いを杜撰にすれば、経営資源である「知識」を失う問題について警鐘を鳴らしている。
「知識」には可搬性がある。形式知は情報から容易に入手できるが、経験知やそこから生まれる暗黙知は知識労働者がいて初めて経営資源となる。
もし、テレワークで組織に不要ではないかと少しでも感じた管理職は気軽に相談していただきたい。将来に向けて取るべき行動をご指導します。定年あるいは早期退職を促されてからでは遅い。
ちなみに豊川へ単身赴任し、中間転写ベルトの生産立ち上げを成功させるために、カオス混合の開発や、複写機の外装材開発としてリサイクルPET樹脂の開発を5年間に成功させて十分な貢献をした。いずれも当方がいなければ成功しなかった仕事である。
カテゴリー : 一般
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