2020.08/10 コンセプト(5)
研究開発における実験以外でも新たなコンセプトを考案できる瞬間は多い。これも俳句と同じである。
「古池や、買わず飛び込む、松坂屋」とは、古池君が松坂屋デパートへ入った瞬間に詠んだ句であるが、その後松坂屋美人店員と交際が始まったならば、単なるパクリの句ではない。
このような句を詠める能力と行動力があれば、りっぱな研究開発リーダーになれる。あるいはイノベーションを起こせる企画立案さえも可能だ。
カオス混合装置は、古池君と同じような心境で生み出されている。豊川へ単身赴任前に何か面白い情報はないか、一日PPS中間転写ベルトの生産工場に飛び込んでみた。
現場の改善を目的にしていないので、古池君と同じスケベ根性である。眺めていたのは、PPS材料だけであり、女性店員だけを眺めていた古池君と大差ない行動である。
納入されたPPSコンパウンドは、袋詰め状態もあれば、フィーダーに入っている状態などさまざまである。
一軸押出機の中に入れば見えなくなるが、制御盤には押出機の中で樹脂がどのようになっているのか、妄想は可能である。
また、頭に描いているのが妄想であることも十分に自覚しなければいけない。現実と交錯させるとよからぬことになる。妄想は妄想のまま妄想として楽しむストイックな姿勢はどのような場合でも重要である。
詳細は省くが、工場の中には、このような材料変化の妄想を描きたてる情報があふれている。湧き出た妄想の中で金属音から低周波数音に変化した瞬間は、絶世の美女と心が通った瞬間と等価であった。
しかし、これは妄想であることを忘れてはいけない。現実であることを確認するために、低周波数音に変わったサンプルを東京へ持ち帰った。
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