2020.08/31 安倍首相辞任
安倍晋三首相は28日に病気を理由に退陣表明された。報道各社の論評を読むと、多くが第一次安倍内閣の辞任の時と異なる点をあげている。
ただ、安倍首相の無念さをうまく表現していたのは元AKBの指原氏ぐらいだろう。まさに病気で倒れて突然辞任するよりも、志半ばなれど良いタイミングで辞意を表明したほうが誠実である。わかっていても難しい決断である。
第一次安倍内閣辞任の時と同じように論評していた評論家もいたが、これは明らかに的外れである。今回はかなりの無念な思いが強かったはずだ。
突然決めたような報道ばかりではあるが、当方の経験から1週間以上前に決断していたように思われる。会見では新しい治療法で改善の見通しが得られたことにも言及しており、その説明に当方は「無念な決断」を感じ取った。
当方も6年間死の谷を歩き、住友金属工業とのJVを立ち上げた後FD事件が起き、それが隠蔽化されると知り、辞職する決断をしているが、それでも首相の決断の思いをうまく表現できない。
一国の首相の今回のような局面での辞意表明ならばさらに苦渋の決断だったはずだ。立憲民主党の新党結成党大会を念頭にした辞意表明を取り上げている報道もあるが、これは安倍首相の決断の決め手ではないだろう。
安倍首相の支持率が落ちたと言っても自民党の支持率まで落ちたわけではなく、今後の活動如何では、首相の支持率は回復する可能性が高い中での辞意表明である。
このような決断を行った人物の心中をうまく表現できない評論家や報道各社の記者は、もう少し自分たちを極限ぎりぎりまで追い込んで取材する習慣を心掛けた方が良い。
東京オリンピックまで延期となり、何もかもが中途半端に見える。しかし、経済政策や憲法改正などに少なからず成果がある。むしろこれから成果の刈り取りというタイミングの辞任の決断ともとれる。
その意味でコロナ対策において国民の批判の強くなってきた今よく決断できた、と花見の会や森友学園問題があったとはいえ、辞職を決断したことに敬服している。
カテゴリー : 一般
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