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2020.09/03 短時間に知識を吸収する方法

短時間で知識を吸収したい時には、その道の達人に聞くのが一番である。耳学問を否定する人がいるが、それは情報として聞いているからだめなのであって、達人から知識となるように指導を受ければ、一番手っ取り早く知識を身に着けることができる。

 

たった3ケ月の指導ではあったが、ゴム会社で樹脂補強ゴムの開発を担当し指導社員から混練のイロハを学んだ経験は、貴重な人生の宝である。

 

達人がいない時には、どうするか。書物から知識を得ることになるが、この時1冊だけ読んでいては駄目である。知りたい知識について情報をいろんな視点で集める必要がある。

 

特定のテーマについて、異なる著者の書物を読むと、情報を知識にするまでの時間を短縮できる。1冊をくり返して読むという方法もあるが、異なる著者の同一テーマの書物を複数読むことにより、著者の視点の違いが情報を知識にするときの手がかりとなる。

 

混練の本を複数購入したのはそのためである。ところが驚いたことにどの本も著者が異なっても同一視点で書かれている。すなわち、混練技術は形式知として完成していたことになる。

 

指導社員はロール混練さえも当方が退職するまでにその機構が解明されないかもしれない、と言っていた。ゴム会社で長く混練のシミュレーション技術に携わってきた友人に聞いたところ、最近特定のモデル配合でロール混練のシミュレーションがようやくできるようになった段階だそうである。

 

それにもかかわらず購入した書籍すべてが、完成された学問として混練技術を扱っていた。これは怪しい。複数の書籍を購入したことにより、既存の混練について書かれた教科書がおかしいことを理解できた。

 

二軸混練機のプラントを基盤技術もない会社で中古機を買い集めて立ち上げるにあたり、知識を身に着けようとしたが、既存の教科書で役立たないことが分かった。

 

新入社員時代の古いノートを探し出し、それを1週間かけてまとめなおした。このまとめに一部加筆してゴムタイムズ社から出版したのが「ポリマー混練り活用ハンドブック」である。

 

 

 

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