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2020.09/06 趣味の重要性

ドラッカーの言葉に、二つ以上の世界を持て、という人生に役立つ名言がある。この名言は、「組織の寿命が人の寿命よりも短くなった」という指摘のところに出てくる。

 

これはどのような意味かというと、人間の寿命が長くなったにもかかわらず、企業の定年は伸びていないので、定年退職後知識労働者は、その知識を持て余すことになる。

 

また社会財産として知識労働者を眺めてみても、定年退職した知識労働者を遊ばせておくのはもったいない、というものである。

 

今定年退職後の労働市場には、知識労働者を生かすための人材派遣会社も存在し、定年退職後収入が下がるのを我慢すれば、働き場所を探すのに困らない。

 

また、求人側も知識よりも肉体を求めている企業が多く、強みが無い知識労働者でも運よく採用されれば、70歳くらいまでは働ける労働市場になっている。

 

この運よく、というところは注釈を加えると、退職時の肩書が重要であるということだ。この辺りを理解していない若い人が多くなったが、企業で出世するという意味に、定年退職後の労働市場で有利に仕事を選べる特権がある。

 

この辺り書きにくいこともあるのでここまでにするが、定年退職後は、労働時間は減少する。社会も優しいので爺を長時間働かせるようなことをしない仕組みになっている。

 

だから給与も安い。驚くのは、年金が無かったら働かない方がまし、という労働条件もある。ゆえに、二つ以上の職場で働いている人も稀にいるが、それは体力と知力に恵まれている人だ。

 

若い人は知らないだろうが、50歳になると体力や知力の衰えを意識しなければ、それを維持できなくなる。すなわち、老化を意識しそれが進まないように対策を取らないと確実に衰えるスピードは上がる。

 

このことに気がつかない同僚を何人も見てきたし、老化をうまく隠すテクニシャンも見てきた。老化をうまく隠すテクニシャンは詐欺の要素を持ち合わせている場合もあるので注意が必要だ。

 

2年ほど前、写真会社の元役員というのが訪ねてきて騙された。その人の再就職先の面接のための資料作りをタダでさせられたのだ。

 

話がそれたが、小生は運よく50過ぎの時にリストラされたので早期退職を決意することができた。早期退職を決意している小生に、早期退職を勧奨する役員もいたので会社というのは面白い。

 

早期退職を決意し、昔の趣味だったギターに再度チャレンジし始めた。ところが、カメラ会社との合併、その結果舞い込んできた中間転写ベルトの仕事で頓挫した。

 

もっとも頓挫した理由は、昔弾けた禁じられた遊びを全然弾けなくなっていて楽しくなかったこともあるが、高価なES335が残った。

 

今の会社を創業してから会社経営が趣味のようになったが、やはりこれは仕事であって、貢献と自己実現を強いられる。人生を豊かに楽しませるためには、貢献など考えなくても良い趣味が必要である。

 

コロナ禍となり、友人たちも暇になったのか、オーディオの趣味の友人とメールを交わすようになった。

 

その一人がクラシックギターを新調するということになり、当方はES335を断捨離で手放した話や、その時に昔の手工ギターがES335よりも安く二束三文だった話をメールに書いた。

 

このメール後、その手工ギターを修理し始めた話やエレアコに改造した話、オークションにアイバニーズの高いセミアコを高い値段のまま出している楽器店の話など書いていたら、紆余曲折は省略するが、禁じられた遊びを弾けるようになり、その高いセミアコを値切って買ってしまっていた。

 

今若い時のようにギターを練習する毎日となったが、趣味は楽しいのである。楽しいから趣味なのかもしれない。同じ趣味の人間が集まる楽しみもある。

 

しかし、コロナ騒動も無ければこのような展開にならなかったのかもしれない、と考えると、今何か新しい趣味を始めるには良いチャンスである。オタク的なものでも構わないと思う。何を趣味としたらよいかわからない人は相談してほしい。

 

セラミックスから高分子まであらゆる材料を開発してきた経験は、趣味についても役立った。二束三文の値段しかつかなかったアコギを修理と改良で、市販品よりも良い音のするセミアコとすることができた。マーチンやギブソンに劣らないジャパンビンテージギターである。

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